平成30年度第6回FD・SD研修会
「『困った』学生への対応~教員とカウンセラー5:5の取り組み~」

2019.01.17 共通

日時:平成30年11月27日(火)14:40~15:40
講師:幼児教育学科 特任講師 柴田 英登

 

本学には様々な学生が在籍し、また様々な「困った」が日々生じています。学生自身が「困った」という場合もあれば、対応する教員が「困った」となる場合もありますし、学生も教員も「困った」となって問題が継続・拡大していく場合もあるかと思います。どの先生方も経験してきたであろうことを、特任講師として初年度の私も経験する中で、教員とカウンセラーという一見相容れない両方の立場をどうにか活かせないものかと考え、まとめたことをお話しました。

 教員にとって、とりわけ私にとって「困った」となるケースとして、学業に取り組もうとしない学生についての対応があります。所属する幼児教育学科では、特定教科の単位が卒業だけでなく資格取得の要件ともなるため、その単位取得の基準を教科担当教員が下げてしまうことはそのまま資格の質の低下を意味することとなります。学生を指導して単位取得の基準まで引き上げるためには、先に厳格な基準が存在し、そのことが学生にも明確に示され、さらにはその基準に達するまでの段階も提示されていることが必要と考えます。どこまで頑張ることが求められているのか、そもそも「頑張る」という言葉に何が含まれているのか、そのためにはどのようなことをすればよいのか、ということです。昨今の学生にはより具体的かつ直接的に指示することが必要であるように感じます。しかし、その支援をずっと続けることは学生の主体性を奪うことになるため、教員は少しずつ学生が自ら考え動いていくことのできるよう支援をフェイドアウトしていくことも重要となります。そして、何よりも学生が適切な行動をとった時に、確実に強化する(認める)ことです。

 カウンセラーとしてこれまで発達障害児者への支援を主にしてきた私にとっては、そのような具体的支援は馴染みのあるものです。あくまでも一例としてですが、学生に対してなるべく具体的なフィードバックとなるように授業で実践している成績評価や関わりについて先生方にお示ししました。

質疑応答では同じように悩まれている先生方からもご意見を頂きました。この研修会の機会を頂いたことで、まず私が先生方と思いを共有できたことが最も有意義に感じられ、これから学生支援を続けるための活力を頂きました。

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