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新型コロナウィルス感染症の時代における遠隔リハビリテーションカンファレンス

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2020年6月11日

金城大学

大川原脳神経外科病院

 

金城大学の前島伸一郎学長らの共同研究グループは、新型コロナウイルス感染症による非常事態宣言が発令され、特定警戒13都道府県となった石川県と北海道の間で、Skype通信システムを利用して、リハビリテーションカンファレンスを実施していたことが、American Journal of Physical Medicine and Rehabilitation誌(米国リハビリテーション専門医会誌)の記事(オンライン版)に取り上げられました。

新型コロナウィルス感染症による累計感染者は世界全体で600万人を超え、死者は37万人に到達しました。世界中の多くの人が感染の拡大を防ぐために、移動や行動の制限を受けています。日本政府は2020年4月7日緊急事態宣言を発令し、国内7都府県を対象としましたが、同月16日には北海道や石川県を含めた13都道府県を特定警戒都道府県に指定しました。日本の感染者数は16000人余(2020.5月末)で、死亡者は897名となりました。病院の周辺でもしばしば、新型コロナウィルス感染症の患者が見られるようになりました。そのため、リハビリテーション(リハ)専門医のいない室蘭市にある脳神経外科病院ではSkype通信システムを利用して、約1000km(陸路1,154km)離れた金城大学のリハ専門医とカンファレンスを実施しました。リハカンファレンスは、多職種のスタッフが各々の高い専門性を有し、目的と情報を共有し、互いに連携・補完しあうために必要不可欠です。リハ病棟へ入院後直ちにリハ評価を実施し、遠隔地にいるリハ専門医と、患者の病態や併存症などの基本的情報を確認するほか、短期・長期ゴールの設定や入院期間、リハプログラムの立案などについて論じます。室蘭市にある脳神経外科病院では、医療スタッフが密集することを避けているものの、遠隔リハ会議は絶やすことなく、個別の部屋から実施可能で、患者の方針決定のみならず、リハスタッフの教育効果も得られたと述べています。すでにパンデミックに対応した遠隔リハシステムのいくつかは構築されていますが、前島学長らは、このような遠隔リハ会議も非常に有用であることを提唱しました。

 

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論文URL

https://journals.lww.com/ajpmr/Citation/9000/Remote_Rehabilitation_Conferences_in_the_Age_of.97972.aspx

 

共同研究グループ

金城大学
前島伸一郎

 

大川原脳神経外科病院

田宮 高道  佐伯 拓磨  大川原 舞  越阪部 学
武 裕士郎  山口 裕之  前田 高宏  大川原 淳