平成30年度第10回FD・SD研修会
「ビジネス実務学科主催研修会」開催報告

2019.03.28 共通

日時:平成31年3月7日(木)14:40~15:30
講師:ビジネス実務学科 教授 藺森 喜美
              准教授 井戸 健敬

今回の研修会では、講師から次の6点について説明があり、その後、参加者による意見交換が行われた。

ポイント1 平成30年度大学教育再生加速プログラム テーマⅠ、テーマⅠ・Ⅱシンポジウム
      「アクティブラーニングと学修成果の可視化」で読み取れたこと

    2 なぜ今「学修成果の可視化」が求められているのか。

    3 把握すべき「学修成果」とは何か。把握方法は何か。

    4 誰のため、何のために「学修成果の可視化」を行うのか。

    5 ビジネス実務学科が可視化すべき学修成果は何か。

    6 各種アンケート調査の結果をまとめ、WEB上で学修ポートフォリオを作るために
      今できることは何か。

1については、興味深い3つの取組が紹介された。1つ目は仙台高等専門学校の「やじカフェ」で、教育改革を行う過程でいろいろな角度から気軽に質疑応答を行う貴重なディスカッションの場として機能しているとのことであった。2つ目は業者のコンピテンシーテスト(PROG)を中止し、大学独自のDPに即したコンピテンシーテストを実施した長崎大学の事例報告であり、ジェネリックスキルの到達度を測るものとして長崎大学がどのようなアセスメントテストを採用しているのかは興味深い。3つ目は、山口大学の「YU CoB CuS」能力基盤型カリキュラムシステムで、これもDPとして設定した卒業時に修得しているべき能力をどの程度修得しているかを定量的に示すものとして示唆に富むものであった。

2なぜ今「学修成果の可視化」が求められているのかについては、中央教育審議会の3ポリシー作成のガイドラインにおいて求められているからであるとの説明があり、4誰のため、何のために可視化を行なうのかについては、学生・教員・学科・第三者に対して持続的な授業・学修・教育課程の改善を行うためであり、「PDCAサイクル」を教育活動に取り入れるために効果的かつ不可欠な手段となるからであるとの見解が示された。5ビジネス実務学科が可視化すべき「学修成果」は何かについては、現在のDPに示された9項目の力・能力を基本に考え、その到達度を可視化するための案が示された。

6については、現状の学生データからどのような活用方法があるかを検討し、参加者で意見交換が行われた。以下に列挙する。

・いろいろな成績の伸び率を調べるにはレイダーチャートが分かりやすい。
・石川県のほとんどの高校では、1年生からポートフォリオの作成をスタートさせているとの    情報がある。大学側もこれに合わせた利用方法の検討が必要である。
・既にシラバス上でDPに即した学修成果が確認できるようにしている。ただし、その配分は
 しっかりと考える必要がある。
・今年からインターンシップの外部評価は、学生にフィードバックを意識したものに変更して
 いる。
・ビジネス実務学科は「学修成果の可視化」を他学科よりも先行しているので参考にしたい。
・学修成果はボトムアップに計算するのか、それとも全体評価を初めに決定してから詳細な評
 価をしていくのかは検討する必要がある。DPの評価点が何点になれば、卒業を認めるという ような基準になると分かりやすい。

以上の意見などを参考にビジネス実務学科では、明確にこんな学生を育てたいと分かるようにし、その到達度の「データを見える形にする」必要があることを学んだ。

 

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