NEWS 4/1(土)金城大学・金城大学大学院 入学式を挙行しました

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4/1(土)金城大学・金城大学大学院 入学式を挙行しました

平成29年4月1日(土)に、白山市松任文化会館において、平成29年度 金城大学・金城大学大学院入学式が挙行されました。
式典では、新入生代表として社会福祉学部の白崎真帆さんが、今後の大学生活への抱負を述べました。

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入学式式辞 学長 半谷 静雄

170407uns3 皆様がご存知のように、この金城大学は人々の健康づくりを支援する福祉と医療系の大学です。そこで、これから健康と生きがいの関係について少しお話をさせて頂きます。ウインストン・チャーチルは言っています「人は得ることで生計を立て、与えることで生きがいを作る」と! 人間には自分よりも人のために何かをした時に、より“生きがい”を感じる素晴らしい感性があります。“生きがい”は、人が元気で生きてゆくための“心の糧”に他なりません。これから迎えるICTや人工知能を駆使した成果主義の社会では、人とのふれあいがより希薄になり、 今より“生きがい”をみつけ難い世の中になりそうです。現在、国の医療と介護費用は既に50兆円を超えています。超高齢化社会を迎える日本が、現在の社会保障制度を維持することは財政的にも難しく、これからは介護も必要としない全国民を対象とした“健康長寿作り”が国家的な課題になると思われます。認知症など介護を要する加齢性疾患の多くは、糖尿病などの生活習慣病の予防で、効果的に減らせることが解ってきました。そして、健康長寿の達成には、生活習慣の改善に加えて、心の糧となる“生きがい”作りも欠かせません。      

 現在日本は世界一の長寿国ですが、日本が初めて長寿世界一となったのは今から35年前の1982年のことです。当然注目されたのは、第二次世界大戦後に日本人の平均寿命が目覚ましく伸びた点でした。所得から生活環境まで米国よりも明らかに劣る日本人のほうが米国人より長生きだったのです。そこで、1990年に「日本人はなぜ長寿なのか」という興味深い論文が英国で発表され、日本に住む日本人が一番長命で、ついでハワイのホノルルに移住した日本人、一番短命だったのが、アメリカのサンフランシスコに移住した日本人であることも解りました。同じルーツの日本人でも、住む社会により寿命に差の出たことから、日本の社会 にみられる“経済的格差の少なさ”や“社会的結束の強さ”、“連帯感”などが長寿の要因として注目を集めました。      

 興味深いことに激しい競争社会のアメリカでも、似たような事例が1950年代に「ロゼト効果」として観察されていました。「ロゼト」とは、同じ農村からのイタリア移民をルーツとするペンシルバニア州東部の 人口1,600 人ほどの小さな町の名前です。1950年代にその町で、医学的に不思議な現象がみられました。喫煙や運動不足など心臓病の危険因子の保有率が周辺地域の住民とほぼ同じにもかかわらず、ロゼトの町は心筋梗塞の発生率が周辺地域の半分以下の「長寿地域」だったのです。その後の綿密な健康調査で、たった一点だけ、周辺地域の住民と顕著に異なっていることが明らかになりました。それは、ロゼトの住民同士の連帯感が飛びぬけて高かった点です。しかし1960年代、ロゼトの町に消費文明 が入り込み始めると、次第に社会格差が拡大し、住民同士の連帯感も薄まり、心筋梗塞の発生率も周辺地域と同じになってしまいました。    

 以上の事例は、社会格差が人々から連帯感や充実感、張り合いなどのpositiveな感性の集成ともいえる“生きがい感”を奪い、健康を直接脅かす要因になり得ることを示唆しています。実は現在、世界一の健康長寿国も日本なのですが、他人を思いやる心や、調和を重んじる伝統的な日本文化の中にこそ、“生きがい”に繋がる健康長寿の鍵があるのかもしれません。幸い、本学の位置する白山市とその周辺には、伝統的な日本文化がまだ数多く残されています。そして金城大学は現在、小児から百寿者までの健康調査などを通して、地域の方々の“健康と生きがい作り”を着実に進めています。これらの取り組みは将来の皆様自身の“生きがい作り”にも必ず結び付く筈です。   

 新入生の皆様、どうかこれからの金城大学での学びが、何れの日にか皆様自身の大きな“生きがい”となって実を結びますことを切に祈念して、入学に際しての私の祝辞とさせて頂きます。