NEWS 前島学長の論文が「Current Neurology and Neuroscience Reports」誌に掲載されました

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前島学長の論文が「Current Neurology and Neuroscience Reports」誌に掲載されました

タイトル Thalamic Lesions and Aphasia or Neglect
著者 Maeshima S, Osawa A
掲載誌 Current Neurology and Neuroscience Reports.2018 May 23;18(7):39. doi: 10.1007/s11910-018-0844-4.
概要

視床病変による失語症と半側無視

視床が損傷されると、運動麻痺や感覚障害、視野障害などの神経脱落症状がみられるだけでなく、多彩な神経心理学的症状がみられる。本稿では視床に関する基礎知識を述べた上で、視床病変で生じる失語症と半側無視について考察を加えた。
半側無視は、上側頭側回と解剖学的に直接ネットワークのある皮質下構造が関連することが指摘されている。また、視床枕も半側無視の発現に関与している可能性がある。一般的な言語課題では、その難易度によって、前頭葉、側頭葉に伴い、視床が活性化されることが示されている。すなわち、視床は優位半球皮質言語野の機能の活性化、verbal memoryやsemantic mechanismを介した言語の統合機能において関与しうるかもしれない。視床病変によって、失語症や半側無視を呈することが明らかであるが、視床病変の大きさや部位により、発現する症候や機序が異なる可能性があり、症例の積み重ねが必要であろう。

その他

Springerhttps://link.springer.com/article/10.1007%2Fs11910-018-0844-4

PubMedhttps://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29789957